歯髄由来と脂肪由来の幹細胞培養上清液
歯髄由来の幹細胞培養上清液は、歯の神経細胞から抽出したもので一般的に乳歯を使います。
歯髄細胞にはたくさんの成長因子が含まれることから、歯髄由来の幹細胞培養上清液には肌のターンオーバーを促進したり炎症を鎮めたりする効果があります。
年齢を重ねるごとに減少するコラーゲンやエラスチンも、成長因子の働きにより増えるので肌のハリがアップします。
脂肪由来の幹細胞培養上清液は脂肪吸引で取り出させた脂肪から抽出されています。
体内に投与すると、疾患のある臓器やダメージを受けた部位に幹細胞が移動し炎症を抑え再生回復を促します。
歯髄由来の幹細胞培養上清液はアンチエイジング効果を狙って使うことが多い一方で、脂肪由来ではアトピーや脊髄損傷、慢性疼痛みなどの治療に用いる傾向があります。
患者自身の脂肪を使えば拒絶反応の心配がありません。
ドナーから抽出する場合は、年齢や性別、国籍などを管理する必要があります。
臍帯由来と骨髄由来の幹細胞培養上清液
臍帯由来の幹細胞培養上清液は赤ちゃんと母体をつなぐ臍帯血から抽出されます。
いわゆるへその緒は赤ちゃんに必要な栄養がたっぷり蓄えられており、多くの成長因子が含まれています。
傷を修復する効果が高く、赤ちゃんのようなもちもちの肌を作ります。
このような効果から最近では幹細胞コスメに使われるようになりましたが、元々は白血病などの血液疾患の治療に用いられていました。
骨髄由来の幹細胞培養上清液は神経を再生産する効果が高いです。
そのため手足の感覚が回復して、1人で食事ができるようになったり歩行がスムーズになったりします。
失語症や言語障害の患者が言葉を話し読み書きが可能になり、周囲と円滑なコミュニケーションをとれるケースもあります。
他にも神経は様々な機能に関係しており、感情のコントロールや視力障害を回復といった効果を持ちます。
骨髄由来の幹細胞培養上清液は慢性期の脳梗塞に対しても有効だと分かっています。
まとめ
幹細胞培養上清液は由来により、アンチエイジング効果や治療できる病気に違いがあります。
クリニックで点滴を受ける時や幹細胞コスメを購入する時は、何に由来しているか注目するのも良いでしょう。
骨髄由来の幹細胞培養上清液はヒトの骨髄から抽出されますが、痛みを伴うなど課題が残っています。
幹細胞培養上清液は美容や健康のトラブルを改善する注目の成分ですが、より安全な治療法として確立させるためにこれからも技術の改善やデータの収集が求められています。