パーキンソン病のおもな特徴
現代医学はとても進歩をしており、特に日本に至っては先進国内でもハイレベルな治療を実施できる技術があります。
毎年ノーベル医学賞で日本人が受賞をしているのがそれを物語っていますが、それでも完治をさせるのが難しい難病は存在します。
そのひとつがパーキンソン病であり、おもに40代以上の方が発症しやすい傾向です。
このパーキンソン病のおもな特徴は、脳神経細胞内のセロトニンの分泌が大幅に低下をするので、身体の自由が利かなくなるというものです。
さらに海馬が委縮をするため、認知症に似た健忘症も発症します。
今現在明確な治療法がなく、進行を遅らせるための投薬のみとなっているのが現状です。
2021年現在で全国に約40万人もの方がパーキンソン病を患っており、さまざまな大学病院で根本的な対処療法を見つけ出す研究もなされています。
パーキンソン病は初期段階では目立った症状がなく、時間経過とともに表面化するのが特徴です。
幹細胞培養上清液はパーキンソン病の治療に役立つ
国内では2000年以降、アンチエイジング向けの幹細胞治療の研究が盛んにおこなわれるようになりました。
ips細胞とも称されるもので、この細胞は培養をすることで人体のあらゆる臓器・皮膚などに変化を遂げる万能さを持っているのが特徴です。
幹細胞培養上清液というものをシャーレのなかで培養するのですが、この幹細胞培養上清液がパーキンソン病の治療に効果を発揮することが2019年に学会で発表をされました。
上清液とは幹細胞を皮膚・臓器などにするための第一段階の培養液のことを指します。
なぜ上清液がパーキンソン病の治療に役立つのかというと、神経を生み出す段階の上清液だからです。
パーキンソン病は脳神経の欠損によってさまざまな症状を引き起こす疾病であるので、その欠損を上清液で生み出された神経で修復をすることが可能です。
幹細胞が万能であるがゆえの副産物であり、すでの大学病院では患者に対して治験も実施されています。
まとめ
難病に位置付けられているパーキンソン病は、現段階では完治をさせることができません。
ところが昨今の研究で、幹細胞培養上清液がパーキンソン病の治療のカギを握っていることが明らかとなりました。
幹細胞はさまざまな臓器・皮膚に変化を遂げる性質があり、それを培養する上清液内で神経も構築をされます。
この神経を用いて欠損した箇所を修復することで、パーキンソン病を根本的に治せると期待を寄せられています。
治験も進み、今後臨床で用いられるでしょう。